【東温市】
介護認定までの所要日数を大幅に短縮
委員のなり手不足解消も期待

東温市では、業務効率化や費用削減などを目的にmoreNOTEを導入。介護認定審査会と障害支援区分認定審査会で活用し、委員や事務局の負担軽減を実現した取り組みについて伺った。
導入効果 |
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資料作成や廃棄、会場設営に膨大な手間がかかっていた
moreNOTEを導入する前の課題をお聞かせください
介護認定審査会と障害支援区分認定審査会の共通の課題として、事務処理の手間が挙げられます。審査会資料は紙で作成していたため、介護認定審査会の場合は印刷や製本など資料作成にまる1日、障害支援区分認定審査会は半日弱かかっていました。さらに、会場の設営や保管期限を過ぎた資料の破棄にも時間が必要でした。
費用面に関しては、印刷費用や郵送費用が挙げられます。審査会を業務時間外に開催していたので、職員の時間外勤務手当も発生していました。
加えて介護認定審査会の場合、新型コロナウィルス感染症が流行していた際は対面ではなく書面で開催していたため、申請から認定まで更に日数を要していました。
介護認定審査会と障害支援区分認定審査会はどれくらいの頻度で開催していますか?
介護認定審査会は毎月3回開催しています。1合議体あたりの委員は5人です。1合議体あたり30人程度審査し、1日あたり2~3合議体を開催しています。そのため、毎月200人ほどを審査しています。
障害支援区分認定審査会は、月に1回程度開催し、1合議体で最大20人程度、平均で月10~15人を審査しています。
介護認定審査会に特化した機能が導入の決め手
導入時には、他のペーパーレス会議システムと比較をしましたか?
moreNOTEを含め三社のペーパーレス会議システムを比較しました。moreNOTE導入の決め手となったのは、介護認定審査会に特化した機能が備わっていた点です。審査会資料の自動分割機能や事前判定機能などを搭載していたので、当市の希望に合っていました。
事前に当市で使用している審査会資料がmoreNOTEに適用可能かを富士ソフトに確認し、問題がなかったのも、選定した理由のひとつです。
当市の場合、介護認定審査会と障害支援区分認定審査会の委員のうち7割が兼任しています。両方の審査会で同じシステムを利用した方が、委員も使いやすいと判断し、両方の審査会で導入を決めました。
操作性はいかがでしたか?
よかったです。トライアル期間を1ヶ月弱設けて、実際に使ってみました。他社のシステムにも良い面はありましたが、総合的に判断するとmoreNOTEが良かったです。
導入決定後にもトライアル期間を設け、委員の皆さんにも操作してもらいました。moreNOTEはシンプルなつくりになっているため、使いやすく、本格導入後もスムーズに使用できています。
予算はどのように確保しましたか?
最初に業務のデジタル化を検討する情報化推進委員会に実施計画の計画書を提出しました。その際に、委員の利便性や職員の時間外労働手当の削減効果、認定までの期間短縮によって市民に利益をもたらす効果をアピールしました。委員会で承認されたので、財政課と協議し、内閣府にデジタル田園都市国家構想交付金を申請し、交付決定がされたため、予算確保につながりました。
委員・事務局双方の負担軽減が実現
導入に対し、委員の皆さんの反応はいかがでしたか?
moreNOTEを導入したことで、オンラインで開催できるようになりました。委員が資料を持ち運ぶ必要がなくなったため、負担が軽減されたと思います。資料には個人情報が記載されているため、導入前は、開催1週間前に紙資料を受け取った後、委員は保管に気を遣ってくださっていたようです。moreNOTEはセキュリティ対策がなされているため、安心して保管して頂いているみたいです。
オンライン化により移動する必要がなくなったので、委員の負担軽減も実現できたと思います。これから先、若い世代の方々に委員として参加してもらえるような環境づくりが求められますが、moreNOTEは環境づくりにも貢献していると言えます。
事務局の負担は軽減されましたか?
オンラインでの開催により、会場設営の負担が減りました。最初の頃は、moreNOTEの使い方がわからない委員には来庁してもらい、事務局のサポートのもと開催していました。来庁されるのは数人だったので、あまり負担ではなかったです。
今までは病院や施設の業務が終わった後に審査会に出席する委員の移動時間を考慮し、午後7時から開催していました。移動時間が減った分、開催時間を早めることができたので、時間外手当の削減にもつながるという効果が出ています。
導入の効果をお聞かせください。
介護認定審査会においては、介護認定までの日数を大幅に短縮できました。障害支援区分認定審査会の場合、資料を委員に送付した後、追加の案件が発生することがあります。今までは郵送により、追加資料を渡していましたが、今はシステムにアップロードし、その旨を委員に伝えれば済むので、スムーズになりました。
【東温市とは】
東温市は、恵まれた自然環境と県都松山市の至近にある地理的条件から、都市近郊田園都市として発展を続けています。
豊沃な土地柄で、北部に源を発する重信川が市の中央を流れ、うるおいあふれる水辺空間に恵まれるとともに、南部の皿ヶ嶺連峰県立自然公園は、東部の霊峰石鎚山系と連なり、豊かな自然と渓谷美に恵まれています。そんな東温市は、平成16年9月21日に、重信町と川内町が合併し、誕生しました。
両町はそれぞれ昭和31年に誕生して以来、いまは東温市に受け継がれた恵まれた自然環境と、便利な地理的条件で発展を続けてきました。
東温という呼び名は古くからあり、道後温泉にちなんだ広大な温泉郡の中の、東側という意味です。今では市名として、その名残を残しています。
近年では、道路交通網の整備が進むなか、松山自動車道川内インターチェンジ周辺への企業の進出や、大型ショッピングセンター等の立地により、活気あふれるまちとして躍進しています。


市民福祉部
長寿介護課 向成 洋平氏
市民福祉部
社会福祉課 伊藤 芽衣氏
自治体名: | 東温市 |
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所在地: | 〒791-0292 愛媛県東温市見奈良530番地1 |
導入時期: | 2024年5月 |
URL: | https://www.city.toon.ehime.jp/ |
※当事例は2025年5月時点の情報です。 |