【寒河江市】これまでの会議には膨大な紙の資料を持参していた
今はタブレットひとつで解決!
山形県寒河江市は、山形県で最初のタブレット導入に取り組み、議会のペーパーレス化を実現した。どのようにmoreNOTEの導入にいたり、どう活用しているのだろうか。
導入効果 |
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議会で使う資料は膨大、タブレットの導入からスタート
ペーパーレス化の背景には、どのような課題があったのでしょうか
私たちが一番問題視していたのは災害時です。災害が起きると重要文書が失われてしまう危険性があります。そのため、文書を紙だけで残しておくことに不安を感じていました。さらに、公文書はそれぞれ定められた保存年限まで保管しなければならず場所も取ってしまいます。
また、膨大にある紙の保存文書から調べたい文書を探し出すことは大変な労力がかかり、文書内にある調査項目を見つけ出すのも、かなりの時間を費やすこととなります。これはどこの自治体でも頭の痛いところだと思います。そうしたことから、文書を電子化しペーパーレス化することによって、
より効率的な自治体運営ができるのではないかと考えました。
導入の経緯を教えてください
今では笑い話のようですが、4、5年前まで私たちの情報伝達の手段は、電話やFAXでした。その当時から効率的な議会運営を図る観点から、できるだけ早くタブレットを導入し、ペーパーレス化を推進しなければという議論がありました。
そのため先進地視察などを行いながら協議を重ね、タブレット導入検討委員会を設置し、タブレットの導入によるITの有効活用方策や運用方法について、市当局とも調整を行い、2017年5月の導入となりました。
このタブレットの導入は、山形県では最初の取り組みとなり、議会改革の一例として市民や県内他市町村議会の皆様から注目をいただくことになりました。
また、タブレットを有効活用するにあたり、会議における文書の閲覧や検索等、効率的な議会運営を図るためには、どのシステムが良いのかと、数社の製品を総合的に比較した結果、最終的に文書共有システムであるmoreNOTE に決定しました。
会議で使用する資料はすべて保存
それまで会議では紙を使っていたのですね
そうです。たとえば3月、9月の議会は予算、決算議会です。そこで使われる当初予算書や決算書はページ数も多く、とても分厚いものです。さらに、一般会計予算や企業会計予算、特別会計予算、議案書、補正予算書、加えて監査委員会からの監査意見書等もあり、さまざまな資料が付属するため、配付される資料は膨大です。また、議会終了後はそれらを各議員が保管するため、当選回数を重ねた議員ほど資料が増え続け、資料整理に苦慮していました。
どのようにmoreNOTE を活用しているのでしょうか
moreNOTEには、定例議会における議案書等の議会資料、各種会議における資料をはじめ、市政に関連する計画資料、議会関係規定、議会日程や名簿など、議員活動を行う上で必要な情報で、かつ、データとして取り込めるものはすべてフォルダーごとに整理、保存しています。おかげで、会議に行くときは、タブレットとデータ化していない当初予算書や決算書等だけを持って行けばよくなり、以前と比べてとても楽になりました。
運用での問題点はありませんでしたか
多くの資料を入れるため、最初はフォルダー構成をどのように整理すれば使い勝手が良いかという試行錯誤はありました。ただ、moreNOTEに一度入れてしまえば、簡単に資料にアクセスでき、使い方に迷うこともなかったので、軌道に乗るのは早かったです。実際、5月にタブレットを導入し、6月の議会で試験運用を行い、9月の議会ではペーパーレス化して本格運用をすることができました。
議会内においても、操作方法が分からないときは議員同士で教えあったり、使用方法についての研修会を行ったことで、心配していた運用面での苦労も、さほどありませんでした。
使い勝手はどうでしょうか?
操作もシンプルで使い勝手は良いですね。特に必要な資料を探そうとした場合、紙だと「確かこの辺りだったはず」と1ページずつめくって探していたのが、今では、資料が体系的に保存してあるので、目的の資料をすぐに見つけることができます。また、検索機能もあるので、とても便利です。
moreNOTE を導入してどのような効果を感じていますか
効果として一番実感しているのは、議会や市関係資料の情報伝達のリアルタイム化です。今まではFAX等により送られてきた白黒資料を確認していたのですが、moreNOTEを使うことで、位置図や図表をカラー表示でより分かりやすい資料として受け取ることができるようになりました。また、ページ数が多い膨大な文書でもmoreNOTEを介して確認できるようになり、効率的になったと感じています。
さらに、議員活動の一環として市民に対して市政の説明を行う際なども、moreNOTEに入っている各種資料をタブレットで直接見てもらいながら説明できるので、大変有効に感じています。
事務的な面でも、会議資料に急な資料の差し替えなどがあった場合、即座に資料を差し替えることが可能になりました。今まで紙文書で行っていた、資料を回収して、新たに印刷したものを差し替え、また配付するという手間は全くなくなりました。ペーパーレス化による直接的な紙経費の削減に加え、時間を短縮できることによる労力的なコスト削減も非常に大きいと感じています。
2画面表示をもっと活用したい
今後の展開や要望を教えてください
導入してから2画面表示という機能があると知ったのですが、とても良い機能ですね。もっと活用したいと思っています。ただ、今、使っているタブレットでは画面サイズが小さいため2画面表示を使うのには少し難しさを感じています。2画面表示を使うと文字も小さくなるため、年配の議員にとっては少々使いにくいかもしれません。
そのため、次年度では画面サイズが大きいタブレットの導入を検討しています。画面サイズが大きくなれば、現在、紙の冊子にして配られている当初予算書、決算書等もmoreNOTEに取り込み、ペーパーレス化をより一層進めることができると思っています。
今後のmoreNOTEの新機能として要望をあげるとすれば、会議の録音ができて、音声認識等の利用により音声を文字に変換できれば嬉しいところです。そうすれば報告書や議事録の作成も簡単になるのではないかと思っています。
【 寒河江市ってどんなとこ? 】
寒河江市は山形県のほぼ中央、県都・山形市から20キロメートル圏内に位置し、東に蔵王、西に月山、朝日連峰、北に葉山を望み、清流寒河江川と山形県の母なる川最上川に囲まれた美しい都市(まち)です。山形自動車道や国道112号線、山形新幹線、山形空港へのアクセスの利便性から、高速交通網の要衝の地であり、県内陸部の中核として発展してきました。
また、寒河江市は、水稲や果樹栽培に適した豊かな自然環境にあり、特にさくらんぼは全国に知られ、当市生まれで大果、甘みの強い「紅秀峰(べにしゅうほう)」や品質・食味に優れたブランド米の「つや姫」は全国でも高い評価をいただいており、ブランド農産物の産地確立に向け邁進しています。
寒河江市議会 議長
内藤 明 氏
寒河江市議会 副議長
柏倉 信一 氏
自治体名: | 寒河江市 |
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所在地: | 〒991-8601 山形県寒河江市中央1丁目9-45 |
導入時期: | 2017年5月 |
URL: | https://www.city.sagae.yamagata.jp/ |
※当事例は2018年11月時点の情報です。 |